年齢を重ねて年賀状を書くのが難しくなってきた方や、
ご家族の代わりに年賀状じまいの手続きを考えている方は多いのではないでしょうか。
特に80代、90代の高齢の方の場合、どのような言葉で伝えれば良いのか迷われる方も少なくありません。
この記事では、高齢者の年賀状じまいに関する悩みを解決するため、以下の内容を詳しく解説していきます。
- 年賀状じまいを伝える際の基本的な心構え
- 80代・90代の方向けの丁寧な文例集
- ご家族が代筆する場合の適切な伝え方
- 相手に不快な思いをさせない配慮のポイント
年賀状じまいを失敗しないための4つの重要ポイント
1. 高齢による理由を適切に説明する
ただし、必要以上に詳しい説明は不要です。
例えば「高齢のため、文字を書くことが困難になってきた」といった簡潔な説明で十分です。
理由を示さないまま突然の年賀欠礼の通知をすると、以下のような誤解を招く可能性があります。
2. 全員に同じお知らせをしていることを明記
年賀状中止のお知らせは、特定の方だけでなく、すべての年賀状の送付先に対して行っていることを明確に伝える必要があります。
これにより、以下のような効果が期待できます。
文面では「皆様方」「どなた様にも」といった表現を使うことで、全体へのお知らせであることが自然に伝わります。
3. 新しい連絡方法の提案を忘れずに
年賀状でのやり取りは終了しても、これまでの大切な関係性は続けていきたいものです。
そのため、以下のような代替の連絡手段を提案することをお勧めします。
これにより、年賀状以外での交流継続が可能となり、むしろ新たなコミュニケーションのきっかけになることも。
4. 感謝とお詫びの気持ちを込めて
年賀状じまいの文面には、必ず以下の2つの要素を含めることが大切です。
特に高齢の方の場合、数十年に渡る大切な関係性があることも多いため、
感謝の言葉は丁寧に記すことをお勧めします。
逆に関係を断つのであれば、連絡先の添付は必要ないよ。
ただしこの場合であっても、感謝の気持ちと丁寧なお詫びは忘れずに!
【実践編】年齢や状況に応じた年賀状じまいの文例集
一般的な年賀状じまいの基本文例
それでは具体的な年賀状じまいの例文を紹介します。
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
私も今年で○○歳となり、年を重ねるにつれて
年賀状を認めることが徐々に困難になって参りました。
つきましては、誠に勝手ながら、
本年の年賀状を最後とさせていただきたく存じます。
長年に渡るご厚誼に心より感謝申し上げますとともに、
今後も変わらぬお付き合いを賜りますよう
よろしくお願い申し上げます。
「認める」は「したためる」と読むよ!
体力面の変化を理由とする場合の例文
【文例1】
新年のお慶びを申し上げます。
昨年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、私も昨年より手の震えが進み、文字を書くことに
困難を感じるようになって参りました。
そのため、誠に心苦しいのですが、
本年の年賀状をもちまして年始のご挨拶は
失礼させていただきたく存じます。
今後は電話にて近況をお伝えできればと存じます。
末永いお付き合いを願っております。
【文例2】
迎春
旧年中は格別のお引き立てを賜り
誠にありがとうございました
私事ながら、年齢とともに体力の衰えを感じ
毎年の年賀状を認めることも難しくなって参りました
つきましては本年の年賀状をもちまして
年始のご挨拶を失礼させていただきたく存じます
ご連絡は電話やメールにて承れれば幸いです
TEL: xxx-xxxx-xxxx
Mail: xxxxx@xxx.xx
終活の一環として伝える場合の文例
【文例1】
謹んで初春のお慶びを申し上げます。
私事、今年で85歳を迎えるにあたり、
身辺整理の一環として年賀状の送付を
本年限りとさせていただきたく存じます。
長きに渡り、温かい年賀状を頂戴し、
心より感謝申し上げます。
今後は、お電話やメールにて
お付き合いいただけましたら幸いです。
【連絡先:電話番号○○○-○○○○】
【文例2】
謹賀新年
旧年中は温かいお付き合いを賜り
誠にありがとうございました
私事、本年80歳を迎えるにあたり
終活の一環として年賀状は本年限りとさせて
いただきたく存じます
長年に渡るご厚誼に深く感謝申し上げます
今後はSNSを通じて近況をお伝えできれば幸いです
アカウント名:○○○○
引き続き変わらぬお付き合いを
よろしくお願い申し上げます
代筆による年賀状じまいの文例
80代や90代ともなると、文字を書くことが非常に難しくなることもあります。
その場合はご家族様の代筆で年賀状じまいをすることになります。代筆の例文を紹介します。
【文例1】
謹賀新年
いつも父(母)が大変お世話になっております。
本年の年賀状は、私、長男(長女)が代筆させていただきます。
父(母)は現在、老人ホームで穏やかに過ごしておりますが、
高齢により自身で文字を認めることが難しい状況となりました。
つきましては、誠に勝手ながら、
本年の年賀状をもちまして新年のご挨拶は
控えさせていただきたく存じます。
長年の温かいお付き合いに、父(母)とともに
心より感謝申し上げます。
【文例2】
新春のお慶びを申し上げます
母は昨年より入退院を繰り返しており
自身で年賀状を認めることが困難な状況となりました
このような事情により、大変恐縮ではございますが
今後の年賀状でのご挨拶は控えさせていただきます
母の容態は安定しており、介護施設にて
穏やかに日々を過ごしておりますので
どうぞご安心くださいませ
長年のご厚情に心より感謝申し上げます
年賀状じまい後の付き合い方について
年賀状じまいは、決して関係性の終わりを意味するものではありません。
むしろ、新しいコミュニケーション方法を見つける良いきっかけとなることも。
以下のような方法で、大切な絆を継続することができます。
- 電話での定期的な近況報告
- 季節の挨拶状(暑中見舞いなど)の交換
- 訪問による直接的な交流
- メールやSNSでのやり取り(可能な方の場合)
また、以下のような状況では年賀状の再開も十分に考えられます。
- 体調が回復し、再び文字が書けるようになった
- 家族のサポートが得られるようになった
- デジタル機器の活用で負担が軽減された
その場合は、以下のような文例で再開のご挨拶を送ることができます:
謹んで新年のお慶びを申し上げます
以前は体調を崩し、年賀状のご挨拶を
控えさせていただいておりましたが
お陰様で体調も回復し、今年より
再び年賀状を送らせていただく運びとなりました
これまでのご理解に深く感謝申し上げますとともに
今後とも末永いお付き合いを
よろしくお願い申し上げます
まとめ:80代・90代の年賀状じまいで大切なこと
高齢による年賀状じまいは、長年の感謝を伝える大切な機会です。
以下のポイントを意識することで、相手への思いやりのある年賀状じまいが実現できます。
- 体力や年齢による理由を、明確かつ簡潔に説明する
- すべての方へのお知らせであることを明記する
- 新しい連絡方法を具体的に提案する
- 長年の感謝の気持ちを丁寧に伝える
年賀状じまいの文面作成では、以下の点に特に注意が必要です。
- 体調や年齢に関する説明は簡潔に
- 感謝の言葉は具体的に
- 今後の連絡方法は明確に
- 相手を気遣う言葉を忘れずに
特に80代、90代の高齢者の場合は、長年築き上げてきた大切な人間関係があります。
年賀状じまいをする際は、これまでの感謝の気持ちをしっかりと伝え、新たなコミュニケーション方法を提案することで、
大切な絆を守り続けることができます。
年賀状じまいは一つの区切りではありますが、決して関係性の終わりではありません。
むしろ、新たなコミュニケーションの始まりとして捉えることで、大切な方々との絆をより深めるきっかけとなるでしょう。