子育て中のママ友との会話で「あの子、おませさんよね」という言葉を耳にしたことはありませんか?
実は「おませ」という言葉には、褒め言葉なのか少し気になる表現なのか、微妙なニュアンスが含まれています。

今回は「おませ」という言葉の意味や使い方、適切な使用場面について、具体的な例文を交えながら詳しくご説明します。
「おませ」の基本的な意味と特徴
お転婆な女の子が、まるで小さな大人のように振る舞う姿を「おませ」と表現することが多いですね。
似たような表現として「ませている」「ませっ子」といった言い方もあり、時と場合によって使い分けられています。
おませを漢字で書くと?
漢字で書く場合は「老成る」と表記され、
この「老成る」という漢字からも「早くから大人びている」という意味合いが伝わってきます。
標準語として全国的に使用される言葉で、特定の地域の方言というわけではありません。
「おませ」はいつから使われている?
「おませ」という言葉の語源をたどると、江戸時代から使われていた「ませる(老成る)」が基になっています。
特に最近では、「おしゃま」という似た表現も併せて使われるようになり、
言葉の持つ意味合いも少しずつ変化してきているようです。
「おませ」のポジティブな使用例
「おませ」という言葉は、使い方によってはとても愛らしい表現になります。
例えば、3歳の女の子がお母さんの真似をして料理のまねごと遊びをしている様子を見て
「まあ、おませさんね」と言う場合は、その子の可愛らしい様子を温かく見守る気持ちが込められています。
また、幼稚園児が年下の子の面倒を上手に見ているときに
「しっかりしていておませさんね」と言うのも、肯定的な使い方の一つです。
「おませ」のネガティブな使用例
一方で、「おませ」という言葉には批判的なニュアンスが含まれることもあります。
例えば、小学校高学年の女の子が化粧をしているのを見て「ませているわね」と言う場合、
それは年齢にそぐわない行動への戒めの意味合いを含んでいることが多いのです。
中学生に対して「おませな態度」と言うのも、生意気さや小生意気な印象を指摘する表現として受け取られやすいでしょう。
年齢によって変わる「おませ」の印象
「おませ」という言葉の受け取られ方は、対象となる子どもの年齢によって大きく異なります。
以下の表で、年齢層ごとの一般的な印象をまとめてみました。
年齢層 | 印象 | 使用する際の注意点 |
---|---|---|
2~4歳 | 愛らしい・可愛い | 温かみのある声かけで使用すると◎ |
5~6歳 | やや複雑 | 文脈によって褒め言葉にも注意言葉にもなる |
小学生 | 要注意 | 避けた方が無難。代わりに「しっかりしている」などを使用 |
中学生以上 | ネガティブ | 使用は推奨されない |
「おませ」の類似表現と使い分け
「おませ」に似た表現として「おしゃま」「早熟」「お転婆」などがあります。
「おしゃま」は「おませ」とほぼ同じ意味で使われ、特に幼い子どもに対して使うことが多い言葉です。
「早熟」は主に子どもの精神的な成長が早いことを表す表現で、より客観的な表現として使われます。
「お転婆」は活発で元気のよい女の子を表現する言葉で、必ずしも大人びているというニュアンスは含みません。
現代の子育てにおける「おませ」の使い方
最近の子育て環境では、子どもの個性を尊重する傾向が強くなっています。
そのため、「おませ」という言葉を使う際は、
その子どもの行動や性格を否定的に捉えているように受け取られないよう、十分な配慮が必要です。

代わりに「しっかりしているね」「お姉さんみたいだね」「優しい子だね」など、
より具体的で肯定的な表現を選ぶことをおすすめします。
まとめ:「おませ」の適切な使い方
「おませ」という言葉は、使い方次第で温かい表現にも批判的な表現にもなり得る、繊細なニュアンスを持つ言葉です。
特に幼い子どもに対して使う場合は、
愛情を込めた温かい声かけとして使うことで、子どもの可愛らしい成長の一面を表現することができます。
ただし、年齢が上がるにつれて否定的な意味合いが強くなる傾向があるので、
思春期前後の子どもには使用を控えめにするなど、状況に応じた適切な言葉選びを心がけることが大切です。
子どもの言動を評する際は、その子の気持ちに寄り添い、成長を温かく見守る姿勢を大切にしたいものですね。